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後七分後にソピアが死ぬのだ。 それを思い出すたびに、走り疲れ、息があがり、ゼエゼエいいながら今にも倒れそうになっても、大急ぎで走った。 一番の特等席をこのために用意したのだから。 新任神官としてのスポットを。 あの忌々しいクソどもを薙ぎ倒すチャンスを。 ――でも、それは無理だと私は思った。 彼の命令は、城下にうろついている奴らでも殺していけ、だったから。 ずっと後をつける影に男は気が付かない、次第ににじり寄る腕に。 男が時計に目を向けた、時刻は十二時を指していた。
王城の広場を抜け、新任騎士、新任神官の授与式が行われる大広間に着いた。既に広間には何百とも何千とも分からぬ人で埋め尽くされている。ここは人ごみに隠れればばれそうに無いな、浅はかな彼女はその人の目を引き付ける気品ある姿で足を踏み入れた。「姫様?」「もしや姫様では?」「姫様だ!」途端、所彼処で声が上がった。彼女は咄嗟に得意の身の軽さで大広間の入り口の直ぐ隣りのカーテンの裾を掴むと一、二で上まで上りそこからテラスへと駆け抜けた。観衆は何が起きたのか整理する間も無く、ただ口を空け眺めているだけだった。私はそんな彼女を、そのテラスの端で声をかけるタイミング見計らい、見据えていた。浅はかではあるが彼女は間違いなく怜悧なモノの考え方が出来る女性だ、落魄の世に黎明期を齎す数少ない寵児だ。僅かな小悪党に呼ばれる名など寸分にも届かないほどの。
「こんにちは、ソピア」――世界の助言者、此処に参上いたします―― |
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