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「ソピアを殺せ」 私はその男の突然の申し出に、頭の中が一瞬で真白になった気がした。 「式の時、壇上に上がり皆が見える場所で殺せ」 「それだけか?俺様を呼んでおきながら、たかが一国の姫ごときを殺せと?」 「不満か?」 「あぁ不満だね、もう少し食い殺したい」 「なら、城下にうろついている奴らでも殺していけ、王城に入ったらソピアだけを狙え」
私が薄くほくそえみ、耳障りな高笑いを散らし、まずはどこから食うか、頭は最後だ、泣き叫ぶ姿はたまらないからなぁ、そうだな足からいくか、その後は手だ、死ねないようにしとかないとなぁ、あぁ腹を抉ってやるのも忘れちゃいけねえなぁ、そう唸り声を頭の底に響かせた。。男が私の目をもう一度みると、私が隠れて無くなる様に見えなくなった。男は私が消えるのを確認し、眼鏡のレンズをローブで二、三十回ひつこく拭いてから魔方陣の上を出た。そして、暫し男は何かに絶えるように背中を丸め、肩を怒らせ、顔面の全て覆うほど大きな手でその表情を隠した。漸く収まりかけたころ、男は顔を上げた、引き裂いたような口に、目は鋭く尖り、背後には黒い邪気さえ見えるような笑みをしていた。私は一歩後退った刹那、男の背後に大きな長針が付いた時計が見えた、十二時になる直前の時計が。 |
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